
薬剤科
Pharmacy
薬剤科のご案内
薬剤科の業務は、患者さんが安全で効果的に医療を受けるために、医薬品が適正に使用されるように管理することです。
そのために、処方箋に基づく調剤と鑑査、外来窓口や入院のベッドサイドにおける服薬指導、他の医療スタッフへの最新の医薬品情報の提供等の業務を行っています。
薬剤科の業務には主に以下のものがあります。
- 内服薬、外用薬の調剤業務
- 注射薬調剤業務
- 高カロリー輸液・抗悪性腫瘍薬の無菌調製業務
- 医薬品情報(DI)管理業務
- 病棟薬剤業務、周術期医療への参画
- チーム医療への参画、各委員会への参加
- 医薬品管理業務

薬剤科紹介映像薬剤科の業務について動画でご紹介しています。
(音声が出ますので音量にご注意ください)
業務内容
主な業務について紹介します。
1.内服薬、外用薬の調剤業務
オーダリングシステムにて医師が処方入力した処方に基づき服用方法、飲み合わせ、副作用の確認を行い、処方鑑査後、患者さん1人1人に適した服用方法にて調剤を行います。また、iPodを用いた最新の調剤支援システムを2016年に導入し、調剤過誤の防止に努めています。医師の指示または希望される方には、自動錠剤分包機で1包化(錠剤を1回服用分毎に包装)をしています。2023年からは一包化された薬剤を株式会社TOSHOの自動一包化鑑査システムMDMを利用し、鑑査補助のシステム化を行っています。また院外処方箋を希望される患者さんには、院外処方箋を発行しています。また、2021年度にはTABSORTを導入し、薬の仕分けに対する医療安全にも考慮した調剤を行っています。
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自動錠剤仕分け機TABSORT
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自動一包化鑑査システムMDM
疑義照会件数の推移

2.注射薬調剤業務
入院患者さんの注射剤を、オーダリングシステムにて医師が処方入力した処方に基づき、投与量、投与方法、配合変化、患者さん毎の病態に合っているかの確認を行い、調剤、処方鑑査を行います。また、バンコマイシンなどTDMを必要とする症例は全症例TDMを行い、医師-薬剤師のタスクシェアリングの一環で検査指示の代行入力も行っており、薬剤の効果的投与と副作用の予防に努めています。当院では処方内容毎に薬剤認証ラベルを添付し、患者さんへ使用する直前に薬剤と投与予定の患者さんを照合しており、安全面に配慮した薬剤の使用を行っています。
また、2022 年 12 月からは PDA 端末を導入し安全に配慮した調剤を行っています。
3.高カロリー輸液・抗悪性腫瘍薬の無菌調製業務
無菌性を要する高カロリー輸液や、調剤時に安全面に配慮が必要な抗悪性腫瘍薬はクリーンベンチや安全キャビネット内で混合調製を行っています。手術室で使用する麻薬の無菌調製また製剤業務にて、患者さんの検査や手術に必要な薬剤で市販されていないものは病院内で調製しています。抗悪性腫瘍薬を調製する際は、閉鎖式薬物移送システム(CSTD)を全ての症例で導入しています。
4.医薬品情報(DI)管理業務
医師、看護師、患者さん等からの問合せや薬剤情報、医薬品安全性情報等を提供しています。副作用情報の周知徹底や新しい医薬品の使用方法の伝達を行い、患者さんへの安全かつ適正な薬剤の使用を検討しています。
また、薬剤科内で定期的にカンファレンスを行い、知識の向上と問題点の共有化に努めています。
5.病棟薬剤業務、周術期医療への参画
全病棟へ薬剤師を配置して、ベッドサイドにて入院患者さんへの薬剤の用法、用量等の服薬指導を行い、副作用の未然防止、早期発見に努めています。一般病棟では、薬剤師の常駐を行い、質の高い医療を目標として、日々の業務を行っています。2023年からは病棟活動の補助システムとしてCP-mapを導入し、医師へ円滑な処方支援を行っています。また、TDM(血中濃度測定)の必要な抗菌薬については、すべて薬剤科でのシミュレーションにより提案、実施されています。また、当院は薬剤師外来を開設しており、外来薬剤師と病棟薬剤師の円滑な情報共有を行っています。また、各病棟には病棟薬局の設置を行い、薬剤師の活動拠点とし業務を行っています。
薬剤管理指導件数

6.チーム医療の参画、各委員会への参加
各診療科の回診やカンファレンスに参加し、病状の把握、問題点の洗い出しを通して薬剤師としての意見を述べたり、薬学的提案を行っています。
また、栄養管理委員会(NST)、感染対策チーム(AST、ICT)、褥瘡対策委員会、医療安全管理委員会、サービス向上委員会、クリニカルパス委員会、がん化学療法委員会の一員として取組んでいます。各委員会に所属することで患者さんに適正でかつ安全な薬剤の使用を検討しています。また、2022年度より診療報酬の改定の一つとなった骨折リエゾンサービスチーム(FLSチーム)、周術期に関しても薬剤師が関与を行い、二次性骨折予防継続管理、周術期薬剤管理加算、術後疼痛管理チーム加算にもチームとして積極的に関与しています。
7.医薬品管理業務
薬事審議会で薬品の採用・削除を検討して、適正な薬品管理を行っています。
また、病院内の各病棟、各部署での医薬品の管理を行い、適正な薬剤の使用に努めています。
8.人材育成
薬剤科では、薬剤師1人1人の知識の向上を行い、スペシャリスト育成のために認定薬剤師の取得、学会発表、論文作成を積極的に取り組んでいます。また、新人薬剤師に対しては先輩薬剤師とのペア制を取り入れ教育体制にも力を入れています。
当院における薬剤師の臨床教育構想

当院で取得している認定薬剤師
人数 | |
日本病院薬剤師会 日病薬薬学認定薬剤師 | 11名 |
日本病院薬剤師会 生涯研修認定薬剤師 | 2名 |
日本麻酔科学会 周術期管理チーム認定薬剤師 | 2名 |
日本麻酔科学会 術後疼痛管理研修修了薬剤師 | 2名 |
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定薬剤師 | 2名 |
日本薬剤師会 研修センター認定薬剤師 | 3名 |
一般社団法人薬学教育協議会 実務実習指導認定薬剤師 | 3名 |
スポーツファーマシスト | 1名 |
日本骨粗鬆症学会 骨粗鬆症マネージャー | 3名 |
アメリカ心臓協会 ACLSプロバイダー | 2名 |
アメリカ心臓協会 BLSヘルスケアプロバイダー | 2名 |
アメリカ心臓協会 BLSインストラクター | 1名 |
日本臨床救急学会 ICLS | 4名 |
日本循環器学会 心不全療法指導士 | 4名 |
日本パーキンソン病・運動障害疾患学会 パーキンソン療法指導士 | 1名 |
熊本県肝疾患コーディネーター | 1名 |
一般社団法人日本医療経営実践協会 医療経営士 3級 | 1名 |
学会発表
●第73回日本化学療法学会 総会(2025年) 新型コロナウイルス治療薬レムデシビルの腎機能障害症例における腎機能と治療効果への影響について |
●第33回日本医療薬学会 年会(2024年) 人工股関節置換術に対する関節周囲多剤カクテルを使用した周術期における薬剤師へのタスクシェアリングへの取り組みとその評価 メトトレキサート中止後に改善したリンパ増殖性疾患の一症例 |
●第83九州山口薬学大会(2024年) キュービックス®導入による冷所保管医薬品の在庫管理の効率化について |
●第33回日本医療薬学会 年会(2023年) PCA説明時のパンフレット使用による術後疼痛への影響 術後疼痛管理チームの設立及びその有用性の検討 |
●第82九州山口薬学大会(2023年) 錠剤一包化鑑査支援システム導入による安全性の検討と今後の展望 表計算ソフトを用いた手術使用予定薬剤セット鑑査システムの構築 |
●第25回骨粗鬆症学会(2023年) 薬剤師主導でのFLS委員会設立~活動内容とその評価~ |
●第12回臨床腫瘍薬学会 年会(2023年) がん化学療法チェックシートを用いた薬剤師の取り組み |
●第24回骨粗鬆症学会(2022年) 当院の関節リウマチ患者における骨密度検査実施状況の調査報告~第2報~ 当院におけるデノスマブのオーバーシュート予防におけるタスクシェアリングの取り組み |
●第81回九州山口薬学大会(2022年) 中規模病院における手術室業務への積極的介入(シンポジウム) 返却薬の再利用における一包化錠剤仕分け装置TABSORTの導入及びF-WAVEとの連携による有効性と安全性の検討 |
●第31回医療薬学会(2021年) 中規模病院におけるAST薬剤師の積極的介入及びその評価について MRSA骨髄炎の治療に難渋した1例 |
掲載雑誌・論文 |
●栗﨑貴啓 : Cubixx®の導入が薬剤管理の効率化に及ぼす影響と評価, 九州薬学会雑誌 , in press (2025) |
●栗﨑貴啓 : 人工股関節置換術に対する関節周囲多剤カクテル注を使用した周術期における薬剤師へのタスク・シフト/シェアへの取り組みとその評価, 日本病院薬剤師会雑誌 60, 1239-1244(2024) (2025年 熊本県優秀論文賞) |
●栗﨑貴啓 : 薬剤師による手術室の働き方改革へ取り組み, 日本手術医学会誌 45, 264-268(2024) |
●栗﨑貴啓 : 術後疼痛管理チームの介入による術後悪心嘔吐の予測と発症抑制および術後疼痛への影響について, 日本病院薬剤師会雑誌 60, 31-36(2024) (日本病院薬剤師会 令和7年度 日病薬学術奨励賞、2024年 熊本県優秀論文賞) |
●栗﨑貴啓 : Edwardsiella tardaによる急性胆管炎から菌血症を合併した症例に対するantimicrobial stewardshipの1例, 日本病院薬剤師会雑誌, 58, 1400-1404(2022) (2023年 熊本県優秀論文賞) |
●栗﨑貴啓 :中規模病院におけるAST薬剤師の血液培養患者一元管理による積極的介入とその評価について, 九州薬学会雑誌, 76, 21-24(2022) |
●上田美咲:中規模病院の骨粗鬆症マネージャーとしての院内活動と地域連携, 日本骨粗鬆症学会誌, 4, 320 (2021) (2022年 熊本県優秀論文賞) |
●栗﨑貴啓 :中規模病院における薬剤師の手術室業務への介入評価, 九州薬学会雑誌, 75, 41-45(2021) (2022年 熊本県優秀論文賞 2022年九州山口薬学会論文奨励賞) |
●栗崎貴啓 : iPod touchを用いた調剤支援システムによる調剤過誤防止の実際と将来展開, 月刊新医療, 542, 42-45(2020) |
●栗崎貴啓 : 災害に直面し、その後薬剤師として思う事, 週間薬事新報, 3092, 379(2019) |
診療科・部門紹介
地域連携部
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